
腰痛になる原因として、日頃の運動不足で腹筋や背筋の筋力が低下し、それで姿勢が悪くなるという考えを耳にすることがあります。
「早速腹筋と背筋を鍛えなきゃ!」と張り切って、ガッツリ筋力トレーニングする人も多いのではないでしょうか?
確かに腹筋や背筋が弱ることで、正しい姿勢が維持できなくなり、腰痛を引き起こしてしまいます。しかし、間違った方法で筋トレをしてしまうと返って逆効果になってしまうので、筋トレを実践する前に、どんな方法で腹筋や背筋を鍛えればいいのか。是非この記事を参考に確認してみてください。
腰痛を治すためにジムでの筋トレは危険!
腰痛対策の手段として、「腰回りに筋肉のベルトを作ることで、腰まわりがギュッと持ち上げられ、姿勢が正しくなる」と言われていますが、単純にスポーツでやるような激しい鍛え方をすると、逆に腰痛が悪化することもあります。
アスリートでさえ腰痛に悩まされる
例えば、一流のアスリートと言われる人たちでも、腰痛に悩まされてきた人は大勢います。
元スピードスケート選手の岡崎朋美さん、サッカーでは長友佑都さん、野球では赤星憲広さんなど、椎間板ヘルニアなどの腰痛症に悩んでいました。独自の腰痛対策で、今では腰痛を克服したスポーツ選手もいますが、このように普段から鍛えられたアスリートでも腰痛になってしまうのです。
腹筋と背筋が弱い=腰痛になる
という法則は成立しないことになります。
過激なトレーニングは逆効果
よく「筋トレをやって腰の痛みが悪化した!」という声を聞いたことはありませんか?
筋トレによって腰痛が悪化した人の多くは、ジムに通って筋トレしているようでが、これは腹筋や背筋を鍛えるためのトレーニングの方法が腰痛対策のトレーニング方法とは違っていて、腰に負担を与える姿勢でトレーニングしていることが考えられます。
トレーニングジムで行うような、激しいトレーニングは腰に負担をかけるので、腰痛への効果はあまり期待できません。
また、腰痛の根本的な原因は「日常の姿勢が悪いこと」が大きなウェイトをしめています。ずっと立ちっぱなしや、ずっと座りっぱなしといった、長時間同じ姿勢になっていることで、腰に痛みが発生します。
姿勢を正しい状態で維持するためには、スポーツで使うような瞬発的な筋力よりも、持久力が必要になるわけです。
つまり、大きな負荷をかけて、速いテンポでくり返す腹筋や背筋の鍛え方をしても、瞬発的な力がつくだけで、腰痛対策に必要な持久力はつかないことになります。大事なのは、パワーではなく長時間姿勢を維持する持久力です。
腰痛対策には腰痛に適したトレーニング方法で、腹筋背筋を鍛えることが必要です。
腰痛を治すための筋トレは?
腰痛に効果がある筋トレは、ざっくりいうとインナーマッスル(体幹)を鍛えることです。
体幹の鍛え方は、ゆっくりと時間をかけてするトレーニングになります。ゆっくりと筋肉を使いながら、体を動かしたりバランスをとりながら同じ姿勢を維持するといったトレーニング方法です。
どうでしょうか? トレーニングジムでやる腹筋や背筋のトレーニングとは全く違いますよね。
腰痛対策として効果の期待できるトレーニング方法は以下のようなものが考えられます。
- 体操とストレッチ
- ウォーキング
- サイクリング
- プールで歩く
体操とストレッチ
腰痛対策のために腹筋や背筋を鍛える方がいいのは言うまでもありませんが、ちょっとした体操やストレッチだけでも、腰痛が改善されることもあります。
わざわざジムに行かなくても自宅で簡単にできる方法ばかりなので、まずは腰痛体操や腰まわりの筋肉を伸ばすストレッチ運動などを取り入れることをおすすめします。
腰痛体操なら、腰に関係する筋肉をピンポイントで鍛えることができるので、短時間で効果も高いと言えます。あわせてストレッチを行うことで、腰回りもスッキリするので、是非実践してみてください。



ウォーキング
腰痛対策にウォーキングを取り入れるのもひとつの方法です。
座っているより、立って歩いている方が正しい姿勢になりやすいだけでなく、歩くことで腰からお尻にかけての筋肉を動かすことができるので、腰に関係する筋肉を鍛えることができます。
早く筋力をつけようと思って、無理に歩くスピードをあげたり、距離の伸ばす必要はありません。自分で歩いてみて、気持ちよく歩き終われる程度にとどめておくといいです。
ランニングは膝や腰に衝撃が大きくなり、かえって腰を痛めてしまう危険がありますが、ウォーキングは、そういったリスクも少ないのおすすめです。

サイクリング
ウオーキングと同様、腰回りの筋肉を動かすことができるので、腰痛には効果的です。
実際私も医者に進められた方法です。注意点としては上半身を垂直になる自転車に乗ること。ロードバイクにような前傾姿勢で乗る自転車は腰に負担がかかるのでおすすめしません!
「どうせならカッコいいロードバイクでサイクリングしてみよう!」という気持ちは分かりますが、普通のママチャリみたいな自転車でサイクリングすることをおすすめします。
これも無理のない程度でいいので続ける習慣をつけるようにしましょう。
プールで歩く
もし、自宅の近くにプールがあるのであれば、プールに入って歩くことをおすすめします。
水の中は適度な負荷がかかるので、短時間での筋力アップが期待できます。また、歩いたときの膝や腰に衝撃がないので、かなり効果的と言えます。
ただし、水で筋肉を冷やしてしまうので、できれば温水プールが理想的です。
温水プールのある施設に通う必要があるので、あまり現実的は方法ではありませんが、時間とお金に余裕があるなら、温水プールで歩くのが効果的でおすすめです。
まとめ
どうでしょうか? 腰痛対策のための筋トレは、イメージしていた方法と違っていたでしょうか?
ここまで記事を読んでくれた方は、もうお分かりだと思いますが、腰痛対策のための筋トレは、どの方法も「ゆっくりでいい」ということです。激しい運動は必要ありません!
無理をして筋トレすると、腰にかかった負担が回復する前に、また次のトレーニングをしてしまうことになるので、かえって腰の痛みが悪化することもあります。
また、張り切って頑張りすぎると、その日だけで燃え尽きてしまい、毎日続かなくなってしまうので、一日のトレーニング量は、無理のない程度で、体が気持ちいいと感じる程度にとどめておきましょう!
「無理なくゆっくりと毎日」を心がけて、腰痛トレーニングを実践してみてください!きっと腰痛が改善されるはずです。